糖尿病の三大合併症とされている疾患
日本ベーリンガーインゲルハイム株式会社は、10月17日、糖尿病網膜症の病態解明および新規治療法の開発について、公立大学法人名古屋市立大学との間で共同研究契約を締結したと発表した。
糖尿病網膜症は、糖尿病腎症・糖尿病神経障害と共に、糖尿病の三大合併症とされている疾患。
網膜の毛細血管が障害されることで引き起こされる
糖尿病網膜症は、糖尿病によって網膜の毛細血管が障害されることで引き起こされる疾患。出血や血管新生を繰り返して重症化すると、網膜の表面にかさぶたのような線維性の膜ができる。この膜が網膜を引っ張り、遂には網膜剥離を起こす場合もある。また、網膜症の全段階で発症する糖尿病黄斑浮腫は、血管透過性亢進に伴う網膜の肥厚を特徴としており、視力低下も誘引する。
世界中の3億人におよぶ糖尿病患者のうち、実にその約3分の1が糖尿病網膜症の兆候を示す。さらに、糖尿病網膜症の3分の1は、重度の糖尿病網膜症に進行するとも言われている。同疾患は、20歳から74歳までの成人における視力喪失の主要原因のひとつとなっている。
アカデミア発創薬を活性化
ベーリンガーインゲルハイムは2015年、アカデミア発創薬を活性化すべくResearch Beyond Borders(RBB)を探索研究組織内に設立。今回の研究は、日本のRBB部門が仲介し、名古屋市立大学社会連携センターと共同で実施される。
名古屋市立大学視覚科学分野の研究グループは、多くの重要な知見を創出し、研究や治療法の進展に多大な貢献を行ってきた実績を持つ。同共同研究では、網膜血管に異常をきたす糖尿病網膜症の病態を細胞・分子レベルで解明し、新たな治療法の開発を目指すとしている。
(画像は日本ベーリンガーインゲルハイムの公式ホームページより)

名古屋市立大学との糖尿病網膜症の共同研究について - 日本ベーリンガーインゲルハイム株式会社
https://www.boehringer-ingelheim.jp/