欧米では上肢痙縮などを適応症として処方
帝人株式会社は、10月12日、新規ボツリヌス毒素製剤「Xeomin」の国内共同開発・独占販売契約を、独メルツ社との間で締結したと発表した。
「Xeomin」は、メルツ社が創製したA型ボツリヌス毒素製剤であり、欧米においては上肢痙縮・痙性斜頸・眼瞼痙攣を適応症として処方されている。今回の契約締結により帝人は、同剤の日本における共同開発・独占販売権を取得した。
緊張した筋肉を弛緩させるボツリヌス毒素
「Xeomin」は、A型ボツリヌス毒素分子から薬効発現に必須なボツリヌス毒素活性本体タンパクのみを、メルツ社独自の技術によって分離されたもの。
ボツリヌス毒素は、ボツリヌス菌が産生する天然のタンパク質。ヒトの筋肉へ注射すると、神経伝達物質であるアセチルコリンの放出が抑制される。この抑制により、緊張した筋肉を弛緩させる作用を持つことが知られている。
「Xeomin」による筋肉の過度な収縮の緩和は、痙縮患者の日常生活における動作の改善、リハビリの効果向上などにつながることが、期待されている。
筋骨格系疾患領域を強化
帝人グループでヘルスケア事業を担う帝人ファーマは、筋骨格系疾患領域における患者のQOL向上に貢献してきた経緯を持つ。また近年は、片麻痺に対するリハビリ機器や歩行神経筋電気刺激装置「ウォークエイド」も上市。脳梗塞を適応症とする再生医療等製品も、開発を続けている。
同社は、今回契約を締結した「Xeomin」の開発・販売を推進することで、既に取り組んでいる同領域の製品や開発品との連携を強化するとしている。
(画像は帝人の公式ホームページより)

新規ボツリヌス毒素製剤の国内共同開発・独占販売契約を締結 - 帝人株式会社
http://www.teijin-pharma.co.jp/