ベネフィットが示される可能性が低いため
バイエル薬品株式会社は、10月10日、「リバーロキサバン(イグザレルト)」の有効性と安全性の評価を目的とするNAVIGATE ESUS試験が、早期に中止されると発表した。
この発表は、ドイツ・バイエル社が10月5日に発表したプレスリリースを翻訳したもの。試験を最後まで継続してもベネフィットが示される可能性は低いため、中止が決定されたという。
幅広い血栓塞栓症に対して発症を抑制
「リバーロキサバン」は、バイエル社により創製され、ヤンセン リサーチ&ディベロップメント社と共同で開発が行われた非ビタミンK拮抗経口抗凝固剤(NOAC)。肺血栓塞栓症や深部静脈血栓症など7つの適応症が承認されており、他のNOACより幅広い血栓塞栓症に対して発症抑制をもたらしている。
同剤は、承認状況こそ国によって異なるが、130カ国以上で承認を取得。米国以外ではバイエル社が、また米国ではヤンセン ファーマシューティカルズ社が販売を行っている。
「リバーロキサバン」と「アスピリン」を比較検討
NAVIGATE ESUS試験は、塞栓源を特定できない塞栓性脳卒中(ESUS)患者を対象として、「リバーロキサバン」と「アスピリン」を比較検討する第3相臨床試験として実施された。
しかし同試験の中間解析において「リバーロキサバン」は、低用量の「アスピリン」を上回る有効性が示されなかった。試験を最後まで継続してもベネフィットが示される可能性は低いことが示唆され、また「リバーロキサバン」の良好なベネフィットとリスクのプロファイルは全ての既承認の適応症で変わらないため、試験の早期中止に至ったという。
(画像はバイエルの公式ホームページより)

NAVIGATE ESUS 試験 治療群間で有効性が同程度のため早期に中止 - バイエル薬品株式会社
http://byl.bayer.co.jp/