重度のストレスが精神疾患の原因となる可能性
京都府立医科大学は2017年10月4日のプレスリリースで、動物モデルと画像解析の手法を組み合わせることで、重度のストレスにより視覚野・視床などの感覚系の脳部位に萎縮が起こることを解明したことを発表した。
今回の成果に関する論文は、2017年10月6日(金)に科学雑誌「Scientific Reports」に掲載される。
この研究の共同研究グループは、京都府立医科大学大学院医学研究科 精神機能病態学、京都大学 学際融合教育推進センター 健康長寿社会の総合医療開発ユニット、京都府立医科大学大学院医学研究科 運動機能再生外科学、同学 生体構造科学らで構成されている。
ストレスと脳萎縮の関係を初めて解明
心的外傷後ストレス性障害(PTSD)は、学習と関連が深い前部帯状回・海馬・扁桃体などの脳萎縮が報告されており、恐怖学習による病態形成が推定されていた。
この研究で、ストレスによる脳萎縮を学習に関連した部位では未確認であったが、感覚系の脳部位で確認した。
これは、全脳を網羅的に解析してストレスと脳萎縮の関係を明確にした初の研究成果であり、今回解明されたストレスと感覚系脳部位の萎縮の関係により、今後のストレス性精神疾患の病態生理研究及び介入研究において多大な影響を与えることが期待される。
(画像は京都府立医科大学のサイトより)

京都府立医科大学プレスリリース
http://www.kpu-m.ac.jp/doc/news/2017/files/15201.pdf京都府立医科大学
http://www.kpu-m.ac.jp/doc/index.html