製薬企業の化合物を用いたオープンイノベーション
アステラス製薬株式会社と田辺三菱製薬株式会社、そして第一三共株式会社の3社は、10月11日、新薬探索プログラム「JOINUS」を共同で実施すると発表した。
「JOINUS(ジョイナス:Joint Open INnovation of drUg repoSitioning)」は、ドラッグリポジショニング化合物ライブリーを用いた、新たな疾患治療薬の探索プログラム。製薬企業の化合物を用いたオープンイノベーションにより、日本発の創薬を目指すという。
開発を中止した化合物からなるライブラリーを構築
ドラッグリポジショニングは、一般には「薬の再活用」という概念として認識されている。当初とは異なる適応を見出すことが目的とされ、対象としては既承認薬などが扱われてきた。これに対して「JOINUS」プログラムでは、発売まで至らなかった化合物を対象として、新薬としての開発が目指される。
「JOINUS」プログラムにおいて3社は、臨床試験または前臨床試験を実施後に開発を中止した化合物からなるライブラリーを構築。このライブラリーをドラッグリポジショニング化合物ライブラリーとして、同プログラムに応募した国内研究機関に提供するという。
新薬開発の可能性向上を期待
これまでアカデミアに提供されてきた化合物ライブラリーは、薬理活性や安全性が確認される前の化合物も含むものだった。しかし「JOINUS」で提供されるライブラリーは、既に非臨床試験で薬理活性が認められており、基本的な安全性も確認されている。そのため、従来の創薬より短期間で臨床試験まで進むことが期待できるという。
3社は、「JOINUS」により新薬開発の可能性が向上することを、期待している。
(画像はアステラス製薬の公式ホームページより)

新薬探索プログラム「JOINUS」の実施に関するお知らせ - アステラス製薬株式会社
https://www.astellas.com/