アジア圏での独占的開発・商業化権が認められた
小野薬品工業株式会社は、10月12日、経口XPO1(エクスポーティン1)阻害剤「Selinexor」および第二世代の経口XPO1阻害剤「KPT-8602」に関するライセンス契約を、米カリオファーム社との間で締結したと発表した。
「Selinexor」と「KPT-8602」は、共にカリオファーム社が開発中の薬剤。この契約により小野薬品は、日本・韓国・台湾・香港・ASEAN諸国における両剤の独占的開発・商業化権が認められた。
「Selinexor」と「KPT-8602」
「Selinexor」は、ファーストインクラスの選択的核外輸送タンパク質阻害剤。核外輸送タンパク質であるXPO1は、がん細胞の増殖を促進する作用を持つ。同剤は、XPO1に結合することで、その作用を阻害。正常細胞にはほとんど影響を与えず、がん細胞に選択的にアポトーシスを誘導する。
「KPT-8602」は、は第二世代の選択的核外輸送タンパク質阻害剤。同剤もまた、XPO1と結合してその機能を阻害する。その結果として、腫瘍抑制タンパク質が細胞の核内に蓄積し、抗腫瘍効果が発揮される。非臨床試験では、毒性を抑えて抗腫瘍効果を維持できることが確認されている。
新たな治療選択肢になることを期待
カリオファーム社は、がんやその他の重篤な疾患の治療に貢献すべく、新薬の開発に取り組んでいる製薬企業。特に、核輸送に関連した標的に対するファーストインクラスの画期的新薬の創薬および開発に、注力している
小野薬品は、「Selinexor」と「KPT-8602」がアジア諸国において、重篤ながんに苦しむ患者に対する新たな治療選択肢になることを期待しているという。
(画像は小野薬品の公式ホームページより)

米国カリオファーム社とXPO1阻害剤に関するライセンス契約を締結 - 小野薬品工業株式会社
http://www.ono.co.jp/jpnw/PDF/n17_1012.pdf