cefiderocolのプラセボ対照比較試験の結果を発表
塩野義製薬株式会社(以下、塩野義製薬)は10月5日、新規注射用シデロフォアセファロスポリン抗菌薬cefiderocolの臨床試験の結果を米国感染症学会週間で発表することを公表した。
cefiderocolは、塩野義製薬が開発中の新規抗菌薬。近年、抗菌薬に対する細菌の耐性化が世界的に大きな問題となっており、新規抗菌薬の開発が望まれている。
今回、発表されたのは、腸内細菌科細菌と緑膿菌を含むブドウ糖非発酵グラム陰性桿菌による複雑性尿路感染症患者を対象として、cefiderocolの有効性と安全性を確かめるプラセボ対照比較試験の結果だ。
FDAとEMAに承認申請を行う予定
452名の1~2週間の入院が必要な患者に、cefiderocolと高用量カルバペネム系抗菌薬イミペネム/シラスタチンをそれぞれ投与。約7日後の時点で、臨床効果と細菌学的効果の複合有効率が、cefiderocol群が72.6%、またイミペネム/シラスタチン群が54.6%と優越性が確認できたという。
塩野義製薬は今回の結果から、cefiderocolが特に開発が急務と言われているカルバペネム系抗菌薬に耐性があるグラム陰性菌に対する新たな治療薬になる可能性が高いとして、米国食品医薬品局へは新薬承認申請の準備中だ。また、2018年には欧州医薬品庁に販売承認申請を提出する予定。
(画像は塩野義製薬株式会社HPより)

塩野義製薬株式会社
http://www.shionogi.co.jp/