炎症性腸疾患における新規創薬標的の臨床的検証
武田薬品工業株式会社は2017年9月29日のニュースリリースで、武田薬品とKarolinska Institutet(カロリンスカ研究所)、The Structural Genomics Consortium(SGC)の3社は、炎症性腸疾患における新規治療法の開発および検証に向け、前競争的研究および独占的研究に関する共同研究契約を締結したと発表した。
この提携により、武田薬品、カロリンスカ医科大学病院およびSGCの研究者と臨床医で構成されるトランスレーショナル医療研究チームが発足し、大規模かつ十分特徴づけられた炎症性腸疾患患者群から得られた組織検体をもとに、先進的なトランスレーショナル疾患モデルを開発していく。
リソースを統合し、新しい治療開発の道を切り開く
業界標準の評価系をSGCが有する高品質のケミカルプローブや武田薬品の化合物の評価に用いることで、潰瘍性大腸炎やクローン病など治療ニーズが高い疾患におけるこれまで未知であった分子標的や経路の探索が可能となることが期待される。
武田薬品は、今後3年間本共同研究に対し資金を提供、共同研究のうち前競争的研究では、カロリンスカ研究所、SGCおよび武田薬品は、共同研究の効果を最大限に高めるため、共同研究により見出されたすべての試薬および専門知識を研究コミュニティに対して制限なく利用可能とする。
独占的研究では、武田薬品は研究成果に対する独占的権利を有し、患者と薬剤候補の相互関係の解析、患者の新規サブ集団の特定、および炎症性腸疾患の発症や進行に関与する基礎的な生物学的機序の評価に利用することが可能となる。
(画像はカロリンスカ研究所のサイトより)

武田薬品工業株式会社ニュースリリース
http://www.takeda.co.jp/news/2017/20170929_7846.htmlKarolinska Institutet(カロリンスカ研究所)
http://ki.se/The Structural Genomics Consortium(SGC)
http://www.thesgc.org/