医薬品開発に役立つことが期待されるもの
富山大学は、9月25日、同学大学院医学薬学研究部(薬学)分子合成化学研究室・南部寿則准教授と矢倉隆之教授らが、多くの置換基を有するインドール誘導体の斬新な網羅的合成法を開発したと発表した。
この成果は,医薬品開発に役立つことが期待されるものだという。
医薬品の骨格として重要なインドール
インドールは、医薬品の骨格として重要な化合物であり、様々なインドール誘導体が医薬品として用いられている。そのため、インドール合成法の開発は医薬品開発において重要な研究課題であり、実際に数多くのインドール合成法が開発されてきた。
しかし、複数の置換基を持つインドール合成は,未だ難関な課題となっている。特に、インドールのベンゼン環側に置換基を導入することは困難であるため,これらの位置に置換基を持つインドール誘導体の効率的な合成法の開発は、最重要課題のひとつとなっていた。
順序よくインドールに導入することが可能に
南部教授らは、これまでにスピロシクロプロパンを用いる独自のインドール合成法を開発した実績を持つ。このインドール合成法の中間体であるテトラヒドロインドールを、鍵化合物として用いることで、インドールのベンゼン環側に様々な置換基を持つ多置換インドールが網羅的に合成できると判断。合成に成功した。
新たに開発された合成方法は、様々な複数の置換基を位置選択的に順序よくインドールに導入することができる。そのため、医薬品開発に大きく貢献できると、南部教授らはしている。
(画像はプレスリリースより)

未だかつてない多置換インドールの網羅的合成法を開発 - 富山大学
https://www.u-toyama.ac.jp/