抗体薬物複合体MORAb-202の非臨床試験データを発表
エーザイ株式会社(以下、エーザイ)は9月22日、同社初となる抗体薬物複合体(以下、ADC)MORAb-202に関する最新の非臨床試験データを発表した。
ADCは、抗体と低分子薬物をリンカーで結合したもので、標的細胞に集中して低分子薬物の効果を発揮できるため、副作用が少なく、次世代医薬群として注目されている薬だ。
新規ADCとなるMORAb-202は、臨床開発中の抗葉酸受容体アルファ(FRA)抗体ファルレツズマブと抗がん剤エリブリンを組み合わせた複合体。
今回、実施した非臨床試験では、がん移植モデルマウスを用いて、エリブリン臨床用量約5分の1の量のMORAb-202を単回投与した結果、60日間持続する腫瘍縮小効果が認められたとしている。
2017年度下期の臨床試験実施を目指す
このことからエーザイは、MORAb-202が標的がん細胞に取り込まれた後、細胞内分解酵素の働きにより、エリブリンによる高い抗腫瘍効果が発揮され、また、ADC同士が凝集すると、毒性が強まる恐れがあるが、エリブリンの水溶性の高い性質から、血中で凝集せず、がん細胞に到達し高い安全性を示したとしている。
エーザイは、2017年度下期に、MORAb-202の臨床試験実施を目指して準備中である。
(画像は写真ACより)

エーザイ株式会社 ニュースリリース
http://www.eisai.co.jp/news/news201751pdf.pdf