適応拡大を認める承認
ノバルティス ファーマ株式会社は、9月22日、経口ALK阻害剤「ジカディア」が、適応拡大の国内承認を取得したと発表した。
この承認は、ALK融合遺伝子陽性の切除不能な進行・再発の非小細胞肺がんに対する一次治療として、同剤の適応拡大を認めるもの。
脳転移のリスクが高いALK陽性の非小細胞肺がん
日本において肺がん患者の約85%は、非小細胞肺がんと診断されている。そして、非小細胞肺がん患者の約3%から5%は、ALK融合遺伝子(ALK)を有する。ALKは、がん細胞の増殖を促進するとされている受容体チロシンキナーゼ。ALK融合遺伝子陽性の非小細胞肺がん患者は、脳転移のリスクが増加することが示唆されており、脳転移が治療上の大きな課題となっていた。
「ジカディア」は、強力かつ選択的な経口ALK阻害剤。ALKの自己リン酸化を阻害し、がん細胞の増殖を抑制する。同剤は世界70カ国以上で承認されており、米国では2017年5月に、EUでは同年6月に、一次治療としての承認を取得。日本では、「クリゾチニブ」に抵抗性または不耐容のALK融合遺伝子陽性の切除不能な進行・再発の非小細胞がんを効能または効果として、2016年5月に発売されていた。
無増悪生存期間を有意に延長
ノバルティス ファーマは2016年11月、ALK陽性の非小細胞肺がんに対する一次治療薬として「ジカディア」の製造販売承認一部事項変更を申請。同剤の国際第3相臨床試験の結果に基づき、今回の承認取得に至った。同試験において同剤は、化学療法と比べて無増悪生存期間を有意に延長している。
ノバルティス ファーマは今後も、治療薬の開発を通じて肺がん患者に治療選択肢を提供すべく、尽力するとしている。
(画像はノバルティス ファーマ株式会社の公式ホームページより)

「ジカディア」、ALK融合遺伝子陽性の非小細胞肺がんに対する一次治療として適応拡大の承認を取得 - ノバルティス ファーマ株式会社
https://www.novartis.co.jp/