欧州で、Actemra/RoActemraのGCAに対する承認取得
中外製薬株式会社は9月22日、F.ホフマン・ラ・ロシュ社が、Actemra/RoActemra(tocilizumab)の巨細胞性動脈炎(GCA:giant cell arteritis)に対して9月22日欧州委員会から承認を受けた、と発表した。
今回の発表は、中外製薬と戦略的アライアンスを締結しているロシュ社の発表を、日本語に翻訳・編集したもので、内容などは英文が優先されるとのこと。
主要評価項目で、Actemra/RoActemra群56%、ステロイド単独投与群14%
巨細胞性動脈炎(GCA)は、大型血管炎に属する自己免疫疾患の一つで、主に50代以上で発症し、男性の2倍~から3倍の確率で女性に多く発症する、診断が困難な疾患である。症状としては、頭痛、頭皮の圧痛、顎痛や視覚症状で、未治療だと失明や大動脈瘤、発作が発生する恐れがある。
従来の治療は、高用量のステロイド療法に限定されているが、長期の病勢コントロールが困難だった。
今回、Actemra/RoActemraは、第3相臨床試験「GiACTA試験」の成績に基づき、欧州委員会の承認を得た。欧州において、初めて承認を受けたGCA治療薬である。
GiACTA試験は、GCAに対するActemra/RoActemraの有効性と安全性を検証した無作為化2重盲検第3相国際共同試験で、14カ国・76施設において251人の患者を対象に行われた。
最初の6か月のステロイド投与後、週1回のActemra/RoActemra群は、ステロイド単独漸減投与群と比較し、52週解析時に、主要評価項目において統計学的に有意な持続的寛解を得た。Actemra/RoActemra群は56%、ステロイド単独投与群は14%だった。
日本においては、既存治療で効果不十分な関節リウマチ、高安動脈炎、巨細胞性動脈炎に対する皮下注製剤として、アクテムラ皮下注162mgシリンジ等の名称で販売されている。
(画像は中外製薬株式会社のHPより)

中外製薬株式会社のニュースリリース
https://www.chugai-pharm.co.jp/