第2相試験において主要評価項目を達成
日本イーライリリー株式会社は、9月20日、「バリシチニブ」が、中等症から重症のアトピー性皮膚炎を対象とした第2相試験において主要評価項目を達成したと発表した。
この発表は、米イーライリリー社が9月14日に発表したプレスリリースを翻訳したもの。米リリー社は、年内にも同剤の第3相臨床プログラムを開始する予定だという。
QOLにも影響をおよぼす皮膚炎
アトピー性皮膚炎は、世界で成人の約1%から3%が罹患している慢性および再発性の皮膚疾患。体のあらゆる部位に発現する強いかゆみや、皮膚の乾燥および炎症が特徴とされる。特に中等症から重症の場合は強いかゆみが発現し、明白な皮膚損傷や睡眠不足によって患者のQOLに重大な影響をおよぼす。
「バリシチニブ」は、1日1回経口投与のJAK阻害剤。JAK依存性サイトカインは、多くの炎症性および自己免疫疾患の病因と関連している。そのためJAK阻害剤は、関節リウマチを含む広範囲の炎症状態を示す疾患の治療において、有益である可能性が示唆されている。
徴候および症状を有意に改善
中等症から重症のアトピー性皮膚炎患者を対象とした「バリシチニブ」の第2相試験では、同剤および中力価ステロイド外用薬の併用群とプラセボ群とを比較し、安全性および有効性を検証。結果、「バリシチニブ」併用群はプラセボ群と比較して、アトピー性皮膚炎の徴候および症状を有意に改善し、主要評価項目を達成した。
なおこの結果は、スイス・ジュネーブで開催されたEuropean Academy of Dermatology and Venereology(EADV)年次総会において、口頭発表されている。
(画像は日本イーライリリーの公式ホームページより)

バリシチニブが中等症から重症のアトピー性皮膚炎を対象とした第2相試験で主要評価項目を達成 - 日本イーライリリー株式会社
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