欧州臨床腫瘍学会年次総会で口頭発表
エーザイ株式会社は、9月11日、肝細胞がん患者において「レンバチニブ」が「ソラフェニブ」に比較してQOL悪化を遅延するという検討結果を、欧州臨床腫瘍学会年次総会において口頭発表したと発表した。
「レンバチニブ」は、エーザイが創製した抗がん剤。今回の口頭発表では、化学療法歴のない切除不能な肝細胞がん患者を対象とした同剤の臨床第3相試験の解析結果が、明らかにされている。
新規結合型チロシンキナーゼ阻害剤
「レンバチニブ」は、腫瘍血管新生あるいは腫瘍悪性化に関与する受容体型チロシンキナーゼに対して選択的阻害活性を持つ、新規結合型チロシンキナーゼ阻害剤。
同剤は現在、米国・日本・欧州など50カ国以上で甲状腺がんについての適応で承認を取得済み。米国や欧州など35カ国以上では、腎細胞がん(二次治療)に対するエベロリムスとの併用療法についても承認を取得し、欧州では「Kisplyx」の製品名で発売されている。
エーザイは本年、同剤の肝細胞がんに関する適応について、日本・米国・欧州 において承認申請を実施。また、併用療法に関しても様々な臨床第試験を進行させている。
5項目についてQOL悪化の遅延を示した
今回結果が発表された「レンバチニブ」臨床第3相試験では、「レンバチニブ」群がソラフェニブ群に比較して、一部のQOL悪化遅延を示した。
欧州がん治療研究機構による健康関連QOLに関する質問票「EORTC QLQ-C30」および「QLQ-HCC18」を用いた評価で、下痢・痛み・役割機能・身体イメージ・栄養状態の5項目について、「レンバチニブ」群は「ソラフェニブ」群に対してQOL悪化の遅延を示したという。
エーザイは今後も、がん患者とその家族、さらには医療従事者の多様なニーズの充足とベネフィット向上に、より一層貢献するとしている。
(画像は写真素材 足成より)

肝細胞がん患者のQOLに関するレンバチニブとソラフェニブとの比較検討結果を口頭発表 - エーザイ株式会社
http://www.eisai.co.jp/news/news201745pdf.pdf