キャンバスが米Stemline社へライセンス導出した薬剤
株式会社キャンバスは、9月12日、欧州臨床腫瘍学会(ESMO)年次会議において抗がん剤候補化合物「CBS9106」についてのポスター発表が行われたと発表した。
「CBS9106」は、同社が創出し、2014年12月に米Stemline社へライセンス導出した薬剤。今回ESMOにおいて発表されたのは、Stemline社が現在実施している固形がんを対象とした同剤の臨床第1相試験の途中経過報告。
副作用の少ない抗がん剤となる可能性
「CBS9106」は、キャンバス独自のスクリーニングより得られたXPO1阻害剤。
XPO1は、核外輸送シグナル(NES)を持つ輸送基質を、核から細胞質へ輸送する役割を担う蛋白質。XPO1によって制御される輸送基質には、がん関連因子が含まれる。XPO1阻害剤は、これらが核外へ輸送されるのを抑制することにより、抗がん活性を示すと考えられている。
XPO1は極めて安定的な蛋白質であるため、通常の阻害剤では分解が難しい。「CBS9106」は、この蛋白質を分解すると共に新たなXPO1を作り、可逆的阻害を行う。この作用により同剤は、副作用の少ない抗がん剤となる可能性があるという。
安全性と忍容性は容易に管理可能
今回ESMOにおいて発表された臨床第1相試験の途中経過報告では、第6コホートまでの24症例について、「被験者の分布」「安全性・忍容性データ」「臨床活性データ」「代表的症例のCTスキャン画像」「薬物動態データ」が明らかにされた。
同剤の安全性と忍容性については、容易に管理可能であると、Stemline社は報告している。
(画像はキャンバスの公式ホームページより)

CBS9106(SL-801)に関するESMO年次総会での発表について - 株式会社キャンバス
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