スイス・ノバルティス社が発表
ノバルティス ファーマ株式会社は、9月13日、キメラ抗原受容体T細胞(CAR-T)医療である「CTL019」の静脈注入用懸濁液について、米国食品医薬品局(FDA)より承認を取得したと発表した。
この発表は、スイス・ノバルティス社が8月30日に発表したプレスリリースを翻訳したもの。今回の承認は、難治性または再発を認めるB細胞性急性リンパ芽球性白血病(ALL)の25歳以下の患者を、対象としている。
患者自身のT細胞を投与
ALLは、体の免疫システムに関わる白血球の一種であるリンパ球のがん。同疾患では、異常な細胞が骨髄中の他の細胞を抑制し、赤血球や白血球などの産生を妨害するため、患者はあざや出血が生じやすくなる。患者の転帰は全体的に改善されているが、再発または難治性の患者に対する有効な治療選択肢は未だ限られていた。
「CTL019」は、患者自身のT細胞の単回投与により行う新規のがん治療法。細胞の増殖と維持を増強するために、4-1BB共刺激ドメインをキメラ抗原受容体内に使用する。ノバルティスは、ニュージャージー州モリスプレーンにある同社施設にて、患者自身の自家細胞を使って「CTL019」を製造。個別化された治療法に対応できる包括的で信頼性の高い製造・供給体制を、世界規模で構築している。
治療を受けられるよう体制を整備
ノバルティスは現在、治療の対象となる患者が「CTL019」治療を受けられるよう体制を整備すると共に、医療保険者が「CTL019」の価値を理解して保険の対象になるよう、活動を展開している。
また同社は本年後半、r/rびまん性大細胞型B細胞リンパ腫成人患者を適応として、米国とEUにて「CTL019」の追加申請も予定。米国およびEU以外でも、2018年に申請を予定しているという。
(画像はノバルティス ファーマの公式ホームページより)

CAR-T細胞医療CTL019がFDAの承認を取得 - ノバルティス ファーマ株式会社
https://www.novartis.co.jp/news/media-releases/prkk20170913