抗体医薬と薬物を結合
第一三共株式会社は、8月30日、HER2に対する抗体薬物複合体である「DS-8201」について、第2相臨床試験を開始したと発表した。
同試験は、HER2陽性の再発・転移性乳がん患者を対象とするもの。抗体薬物複合体は、抗体医薬と薬物(低分子医薬)を適切なリンカーを介して結合させた医薬群。
革新的な治療を提供すべく事業を推進
第一三共は、がん患者のために革新的な治療を提供すべく、世界最先端の科学的知見や技術を応用してがん事業を推進している。
同社は、日本のがん領域ラボラトリーと米国プレキシコンの強力な研究体制により、がん領域における開発パイプラインを拡充。急性骨髄性白血病を目標適応とするFLT3-ITD阻害剤「キザルチニブ」など、合計20以上の新規の低分子医薬・抗体医薬・抗体薬物複合体を保有している。
「キザルチニブ」の他の開発品目としては、CSF-1R阻害剤「ペキシダルチニブ」、そして今回第2相臨床試験が開始された「DS-8201」が存在する。
がん細胞への攻撃力を高めている
抗体薬物複合体は、がん細胞に発現している標的因子へ結合する抗体医薬を介して、薬物をがん細胞へ直接届ける薬剤。薬物の全身曝露を抑えながらも、がん細胞への攻撃力を高めている。
今回開始された「DS-8201」の第2相臨床試験は、同剤の有効性・安全性・薬物動態を評価する。また、同剤の投与を中止した患者群においても、有効性と安全性を評価する。同社はこの試験の開始が、「DS-8201」の開発を加速するための重要なステップになるとしている。
(画像は第一三共の公式ホームページより)

DS-8201の乳がん第2相臨床試験開始について - 第一三共株式会社
http://www.daiichisankyo.co.jp/news/detail/006698.html