本態性高血圧症患者が対象の試験結果に基づく
第一三共株式会社は2018年2月27日のニュースリリースで、ミネラルコルチコイド受容体ブロッカー「エサキセレノン」(一般名、開発コード:CS-3150)について、高血圧症に係る国内製造販売承認申請を行ったと発表した。
今回の申請は、本態性高血圧症患者を対象に実施した国内第3相臨床試験(ESAX-HTN試験)の結果に基づくものである。
主要評価項目で安全性上の新たな懸念はない
ESAX-HTN試験は、本態性高血圧症患者1,001名を対象とした第3相臨床試験であり、日本においてエプレレノンを対照にエサキセレノンの有効性(降圧効果)と安全性を検証する目的で実施された無作為化二重盲検比較試験である。
主要評価項目は12週時の座位血圧(収縮期及び拡張期)のベースラインからの変化量であり、この試験の主目的であるエサキセレノンの降圧効果のエプレレノンに対する非劣性を検証した結果、用量反応関係を確認、安全性上の新たな懸念は認められなかった。
臓器保護作用を示すことも期待されるエサキセレノン
エサキセレノン(CS-3150)は、米国Exelixis(エグゼリキス)社との共同研究で見出され、第一三共が単独で開発した次世代型の非ステロイド構造を有する選択的ミネラルコルチコイド受容体ブロッカーである。
一般に、ミネラルコルチコイド受容体が過剰に活性化することにより、腎臓の尿細管での尿中ナトリウム及び水分の再吸収が促進され、血圧上昇が起こることが知られており、エサキセレノンはそのミネラルコルチコイド受容体の活性化を阻害することにより降圧作用を発揮すると考えられている。
また、過剰なミネラルコルチコイド受容体の活性化は、心臓、血管、腎臓などの臓器障害を促進することが知られており、エサキセレノンは臓器保護作用を示すことも期待されている。
第一三共は、高血圧症における新たな治療の選択肢を提供することで、患者や医療関係者に貢献できるものと期待していると述べている。
(画像は第一三共株式会社のサイトより)

第一三共株式会社ニュースリリース
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