腹腔内感染症、尿路感染症で適応症取得目指す
MSD株式会社(以下「MSD」)は2月28日、注射用広域抗菌薬であるタゾバクタムナトリウム・セフトロザン硫酸塩配合剤の製造販売承認申請を行ったと発表した。
同剤は、29年2月24日に一般名登録が通知された新規セフェム薬セフトロザン硫酸塩1.0gと、βラクタマーゼ阻害剤であるタゾバクタムナトリウム0.5gとの配合剤。
MSDは、レンサ球菌属、大腸菌、シトロバクター属、クレブシエラ属、エンテロバクター属、プロテウス属、緑のう菌、バクテロイデス属に対する広域抗菌薬として、腹腔内感染症、尿路感染症の適応症取得を目指すとしている。
経験的治療及び標的治療で新たな選択肢へ
腹腔内感染症には、手術や事故などの侵襲や、他の感染部位からの波及によって腹腔内に感染がおこる腹膜炎、腹腔内のう瘍、胆のう炎、肝のう瘍などの疾患がある。
また尿路感染症は、尿流に影響を及ぼす基礎疾患のない単純性と、前立腺肥大や尿路結石などの基礎疾患を有する、又はカテーテルに起因する複雑性に分類される。腹腔内感染症、尿路感染症共に、敗血症を併発して重症化することのある疾患である。
腹腔内感染症及び複雑性尿路感染症では、ESBL産生菌や緑のう菌などの難治性あるいは耐性菌による感染症が問題となっている。今回販売承認申請されたタゾバクタムナトリウム・セフトロザン硫酸塩配合剤は、それらを含む幅広いグラム陰性菌に対して優れた感受性を有しているという。
MSDでは、経験的治療及び標的治療のいずれに対しても新たな選択肢の一つとして期待できるとしている。
(画像はMSD株式会社 ホームページより)

MSD株式会社ニュースリリース
http://www.msd.co.jp/