MK-3475中間データ 第15回世界肺がん学会で発表
先月29日、メルク社はMK-3475のフェーズIB試験における中間結果を発表した。MK-3475は同社が開発した、前治療のある非小細胞肺がん(以下 NSCLC)患者を治療する抗PD-1免疫療法。データは第15回世界肺がん学会で胸部腫瘍学長エドワード・ギャロン氏らによって発表された。
詳細な中間データとして、臨床実験の反応割合と安全性が、反応割合とPD-L1発現との関係性を分析して得られた初期所見と共に提示された。実験では38人の前治療のあるNSCLC患者が3週間に1回MK-3475を10mg/kg投与された。
「我々はNSCLC患者の初期反応に大変勇気づけられている。予備データと他の研究をみるに、PD-L1発現は特定のがんにおいて、MK-3475への反応の予測材料となる可能性がある。肺がんにおけるMK-3475の、生体指標としてのPD-L1の潜在的な役割を知るため、この試験や、他の研究のさらなるデータを期待している」(メルク腫瘍学研究室副室長エリック・ルービン氏――プレスリリースより)
中間データ概要
実験では、24パーセントの患者がMK-3475に反応をみせ、腫瘍が縮小した。確認された副作用は、発疹、皮膚のかゆみ、疲労、下痢、関節痛だった。
MK-3475とは
体内の免疫システムは、がん細胞がPD-L1タンパク質を放出し、それがPD-1と呼ばれる別のタンパク質と働くことによって侵略者としての正体を隠してしまうため、がんを見過ごすことがある。しかし、MK-3475はPD-1タンパク質を目標とすることによって、免疫システムががん細胞を見分ける働きを助け、免疫システム中のT細胞を活性化させ、破壊する。
世界保健機関の調べによると、2008年に肺がんは世界中で137万人の命を奪っている。

Merck Announces Presentation of Interim Data from Phase 1B Study of MK-3475, Investigational anti-PD-1 Immunotherapy, in Previously-Treated Patients with Non-Small Cell Lung Cancer (NSCLC) at 15th World Conference on Lung Cancer
http://www.mercknewsroom.com/news-release/