1歳以上の小児および青少年のXLH患者が対象
協和発酵キリン株式会社は、2018年2月23日、「Crysvita(ブロスマブ)」が条件付き医薬品販売承認を欧州委員会より取得したと発表した。
この発表は、Kyowa Kirin International PLCならびに米国ウルトラジェニクス・ファーマシューティカル社が発表した英文プレスリリースを翻訳したもの。「Crysvita」が今回取得した承認は、1歳以上の小児および青少年におけるX染色体遺伝性低リン血症(XLH)を適応症としている。
希少な慢性の進行性骨格筋障がい、XLH
XLHは、小児および成人が罹患する希少な慢性の進行性骨格筋障がい。遺伝的な原因により血中の線維芽細胞増殖因子23(FGF23)が過剰となることで低リン血症となり、結果として骨の成長・維持において障がいが生じる。小児のXLH患者では、骨疾患が生じ、下肢の変形や低身長が見られる場合が多い。
「Crysvita」は、協和発酵キリンにより発見された、FGF23に対する完全ヒトモノクローナル抗体。XLHおよび腫瘍性骨軟化症(TIO)患者のFGF23の過剰な作用を阻害し、腎臓におけるリンの再吸収を増加させ、腸管におけるリンとカルシウムの吸収を促進するビタミンDの産生を増加させる作用を持つ。現在は、ウルトラジェニクスと協和発酵キリンにより開発が行われている。
臨床試験完遂が条件の承認
「Crysvita」について医薬品評価委員会(CHMP)は、条件付き医薬品販売承認を勧告する肯定的な見解を2017年12月に公表。この承認勧告見解は、小児XLHに対する同剤の臨床試験データに基づいて行われたもの。今回の欧州における同剤の販売承認は、CHMPによるこの見解を受けて認められている。
なお、今回の条件付き医薬品販売承認においては、現在進行中の小児XLHを対象とした同剤の臨床試験完遂が、必要とされる。
(画像は協和発酵キリンの公式ホームページより)

Crysvitaが小児X染色体遺伝性低リン血症を適応症とした条件付き販売承認を欧州で取得 - 協和発酵キリン株式会社
http://www.kyowa-kirin.co.jp/