特異的にがん細胞を蛍光発光させる
オンコリスバイオファーマ株式会社は、2018年2月15日、がんの体外検査薬として同社が開発を進めている「OBP-1101(テロメスキャンF35)」について、欧州特許出願の特許査定を受けたと発表した。
今回特許査定を受けたのは、より特異的にがん細胞を蛍光発光させる制限増殖型アデノウイルスに関するもの。
超早期発見の一助となることを目指して
「OBP-1101」は、がん検査用の遺伝子改変ウイルス。同薬は、テロメスキャンの基本構造を持ったウイルス遺伝子配列に、細胞膜上のCD46蛋白結合モチーフをファイバー部位に組み込むことで、感染範囲を拡大。さらに、マイクロRNAが標的とする配列「miR-142-3p」を組み込むことで、正常な血球細胞での増殖を抑制している。
従来の技術では、悪性度の高い血中における微量な生きたがん細胞(間葉系がん細胞)を検出することは、困難だった。しかし、がん細胞検出に対する特異性を向上させた「OBP-1101」は、この検出を実現。オンコリスバイオファーマは、がんの超早期発見・予後モニタリング・治療薬選択の一助となることを目指し、この技術の開発を進めている。
開発促進および知的財産権の強化を図る
今回の特許査定により「OBP-1101」は、欧州における特許保護期間が最長で2032年2月まで延長されることとなった。なお同特許は、国立研究開発法人医薬基盤・健康・栄養研究所により出願されたが、オンコリスバイオファーマは同研究所より「OBP-1101」の全世界における独占的実施権の許諾を受けている。
同社は今後も、世界各国でのテロメスキャンの開発促進および知的財産権の強化を図るとしている。
(画像はオンコリスバイオファーマの公式ホームページより)

OBP-1101(テロメスキャン F35)に関する欧州における特許査定のお知らせ - オンコリスバイオファーマ株式会社
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