英アストラゼネカ社と米メルク社が発表
アストラゼネカ株式会社は、2018年2月19日、MEK1/2阻害剤「セルメチニブ」が米国食品医薬品局(FDA)により神経線維腫症1型における希少疾病用医薬品指定を付与されたと発表した。
この発表は、英アストラゼネカ社と米メルク社が同年2月15日に発表したプレスリリースを翻訳したもの。
未だ治療法は存在しない神経線維腫症1型
神経線維腫症1型は、皮膚・神経系・骨に現れる病変など、非常に多様な症状を呈する遺伝子疾患。学習障害・視覚障害・疼痛・脊柱の変形・捻転および湾曲・高血圧・てんかんといった二次性合併症を引き起こす可能性もある。新生児3000人中1人が発症する疾患であり、未だ治療法は存在しない。
「セルメチニブ」は、2003年にArray BioPharma Inc.からアストラゼネカに導出されたMEK1/2阻害剤。神経線維腫症1型の遺伝子は、RAS/MAPK情報伝達経路を負に制御するタンパク「ニューロフィブロミン」を生成するよう指示を出し、細胞の増殖・分化・生存に寄与する。「セルメチニブ」は、この情報伝達経路におけるMEK酵素を阻害する作用により、腫瘍の増殖抑制効果が期待されている。
第2相試験の結果公表は、2018年後半を予定
FDAの希少疾病用医薬品指定は、米国における患者数が20万人未満の希少疾病もしくは障害に対して、安全かつ効果的な治療・診断・予防を行う医薬品を対象とするもの。
神経線維腫症1型に対する「セルメチニブ」の潜在的な効果は、米国がん研究所主導で実施中の第1/2相SPRINT試験において、探求されている。第2相試験の結果公表は、2018年後半を予定しているという。
(画像はアストラゼネカの公式ホームページより)

セルメチニブ、FDAより神経線維腫症1型における希少疾病用医薬品指定 - アストラゼネカ株式会社
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