高精度のアルツハイマー病変検出法を確立
国立研究開発法人国立長寿医療研究センターと株式会社島津製作所は2月1日、質量分析システムを用いたアルツハイマー病血液バイオマーカーにより、簡便で極めて高い精度のアルツハイマー病変(アミロイド蓄積)検出法を確立した、と発表した。
同研究は、世界有数のアルツハイマー病コホート研究の組織である豪州のAustralian Imaging Biomarkers and Lifestyle Study of Ageing(AIBL)との連携、京都大学・東京大学・東京都健康長寿医療センター・近畿大学との共同開発によるもの。
研究成果は、2018年2月1日Natureオンライン版で公開された、とのこと。
わずか0.5CCの血液から高精度・低侵襲度で検出
アルツハイマー病の罹患者数は増加の一途で、早期に病変を検出し、発症予防するための安全で簡便な手法の確立が急務である。
アミロイドは、アルツハイマー病の発症20年以上前から脳内に蓄積し、アルツハイマー病の発症リスクを高める、と考えられている。
現在、アルツハイマー病に特異的な脳内病変は、脳脊髄液(CSF)検査やPET(Positron Emission Tomography)を用いたアミロイド・イメージングにより検出可能であるが、前者は侵襲性が高く、後者は大型の設備を要し検査費用も高額な点が課題である。
今回確立したアルツハイマー病変(アミロイド蓄積)検出法は、質量分析システムを用いたアルツハイマー病血液バイオマーカーによる、これらの検査法に匹敵する極めて高い精度をもち、侵襲度の低い血液検査である。
血液をわずか0.5CC採取するだけで、アルツハイマー病変を早期に正確に検出することが可能な方法であるため、世界的に未だ成功していないアルツハイマー病の根本治療薬や発症予防薬の開発に大きく貢献する可能性がある、とのこと。
(画像はプレスリリースより)

国立研究開発法人国立長寿医療研究センターのニュースリリース
http://www.ncgg.go.jp/camd/news/20180129.html