医学系研究科呼吸器内科学との間で締結
ラクオリア創薬株式会社は、2018年1月26日、「細胞老化を利用した変異型KRAS肺がんの新規治療薬開発」に関する共同研究契約を、名古屋大学大学院医学系研究科呼吸器内科学との間で締結したと発表した。
同契約の締結により同社は、同学・長谷川好規教授らとの共同研究を開始している。
抗腫瘍効果を発揮する新規治療薬を創出
KRAS遺伝子は、その変異による機能活性化ががん化を引き起こす、発がん遺伝子のひとつ。腺がんにおいては、20%にKRAS遺伝子の変異が報告されている。KRAS遺伝子変異を伴う肺がんは、悪性度が高い。臨床的に重要な腫瘍であるにもかかわらず、KRASシグナル伝達経路の遮断は困難であり、未だ有効な治療薬の創出には至っていない。
細胞老化は、生体内においてがん抑制機構として働いていると考えられている。このシステムの破綻が、がんの発生においては重要な役割を担っていることが、近年の研究で明らかとなってきた。
今回の共同研究では、特定のタンパク質を標的とすることで、変異型KRAS肺がん細胞の細胞老化を誘導。がん細胞に対して、選択的に抗腫瘍効果を発揮する新規治療薬を創出するとしている。
シナジーを最大限に発揮できる体制を構築
ラクオリア創薬は2014年4月、名古屋大学環境医学研究所に産学協同研究部門「薬効解析部門」を設置し、同大とのシナジーを最大限に発揮できる体制を構築してきた。今回開始された共同研究もその一環として位置づけられている。
同社は、名古屋大学が保有する呼吸器内科学の最先端の研究成果と、同社が培ってきた創薬研究のノウハウを融合し、創薬研究を加速させるとしている。
(画像はラクオリア創薬の公式ホームページより)

名古屋大学大学院医学系研究科呼吸器内科学との共同研究開始のお知らせ - ラクオリア創薬株式会社
http://www.raqualia.co.jp/topics/5277.html