ALSにおける機能障害の進行を抑制
田辺三菱製薬株式会社は2018年1月23日のニュースリリースで、筋萎縮性側索硬化症(Amyotrophic Lateral Sclerosis:ALS)における機能障害の進行を抑制するエダラボン(一般名)(日本製品名:「ラジカット(R)点滴静注バッグ30mg」)をスイス当局(Swissmedic)に申請し、2017年12月22日付けで受理されたことを発表した。
ALSは、運動神経が選択的に変性・消失し、四肢、顔、呼吸筋等の全身の筋力低下と筋萎縮が進行性に起こる原因不明の神経変性疾患であり、人種や民族的背景に関連なく発病し、その発病率は10万人に2人程度と言われ、スイスのALS患者数は、約500人から600人と推定されている。
世界のALS患者へ 日本発のALS治療薬を届けたい
エダラボンは田辺三菱製薬が創製したフリーラジカル消去剤であり、脳梗塞急性期の治療薬として、2001年4月に厚生労働省から承認され、ラジカット(R)の製品名で販売している。
脳虚血に伴って発生するフリーラジカルを消去し、脂質過酸化反応を抑制し、虚血領域、あるいはその周囲の神経細胞を保護する作用を有することから、ALSの病態で上昇するフリーラジカルを消去して運動神経を酸化ストレスから保護し、筋力低下、筋萎縮の進行を遅らせる効果を有すると考えられている。
ALSの病態にとして日本で臨床試験を実施し、2015年6月に「ALSにおける機能障害の進行抑制」を効能効果として厚生労働省から承認され、米国では2017年5月に承認されている。
田辺三菱製薬は、ALSと闘う一人でも多くの世界の患者へ、ALSの治療薬としてエダラボンを届けられるよう努めていくと述べている。
(画像は田辺三菱製薬株式会社のサイトより)

田辺三菱製薬株式会社ニュースリリース
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