東北大学大学院研究グループ、22日に米学会誌に発表
東北大学は1月23日、同大大学院の研究グループが、冠攣縮性狭心症患者における冠動脈病変部位の炎症性変化を画像化することに、世界で初めて成功したと発表した。
これは、東北大学大学院医学系研究科循環器内科学分野 下川 宏明教授、松本 泰治院内講師、大山 宗馬医師(大学院生)らの研究グループと、同放射線診断学分野の高瀬 圭教授らの研究グループとの共同研究による成果。
この研究の論文は1月22日、米国心臓病学会の学会誌「Journal of the American College of Cardiology」(電子版)に掲載された。
従来はアセチルコリン負荷誘発テストにより診断
同研究グループは、冠攣縮性狭心症患者の攣縮を生じている冠動脈の病変部位の炎症性変化を、18F-FDG PET/CTを用いて世界初の画像化に成功。
冠攣縮性狭心症は欧米人に比べて日本人に多く発症するもので、狭心痛と呼ばれる胸全体が締め付けられるような痛みを伴うことで知られる。
急性心筋梗塞や突然死を引き起こすこともあり正確な診断が非常に重要とされるが、従来の診断は、非発作時にアセチルコリンという薬剤を用いた誘発テストにより行われていた。
画像化診断の臨床実用化へ期待
従来は誘発テストにより診断が行われていた冠攣縮性狭心症だが、攣縮冠動脈に生じている炎症性変化の可視化に成功したことにより、アセチルコリン負荷誘発試験をしなくても冠攣縮性狭心症の病変部異の診断ができる可能性が生じた。
今回の研究成果により、同研究グループは冠攣縮性狭心症の新たな病態解明と画像化診断の臨床実用化が期待できるとしている。
(画像はプレスリリースより)

東北大学 ニュースリリース
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