滑膜肉腫対象としたsiTCR遺伝子治療
タカラバイオ株式会社(以下、タカラバイオ)は1月17日、滑膜肉腫を対象としたsiTCR遺伝子治療の国内第1相及び第2相臨床試験での、1例目の被験者に対する投与を開始したと発表した。
同試験は、タカラバイオが開発したレトロネクチン(R)遺伝子導入法、レトロネクチン(R)拡大培養法、及び三重大学のグループと共同開発したTCR遺伝子導入用レトロウイルスベクター(siTCRベクター)を使用し、滋賀県草津市にある同社の遺伝子・細胞プロセッシングセンターで遺伝子導入細胞の調製を行うもの。
平成32年度、国内での商業化目指し
1例目の被験者に対する臨床試験は、1月15~16日に実施。癌抗原NY-ESO-1を特異的に認識するTCR(T細胞受容体)の遺伝子を、被験者の血液から採取したT細胞に体外で導入した後に体内に戻し、主要評価項目である安全性や有効性等を確認する。
対象とされるのは、外科的切除が困難、あるいは肉腫が再発した患者など8人。平成29年3月~平成32年1月まで、三重大学、大阪医療センター他、全5施設で臨床試験を実施する予定。
なお、タカラバイオは2016年にカナダでの固形癌を対象としたNY-ESO-1・siTCR遺伝子治療の第1b相臨床試験を開始している。国内及びカナダで取得するデータを基に、平成32年度には日本国内での商業化を目指したいとしている。
(画像はタカラバイオ株式会社 ホームページより)

タカラバイオ株式会社 ニュースリリース
http://www.takara-bio.co.jp/release/?p=4958