アストラゼネカ英国本社が1月12日に発表
アストラゼネカ株式会社は、2018年1月18日、生殖細胞系列BRCA遺伝子変異陽性転移乳がん治療薬として「オラパリブ」が米国食品医薬品局(FDA)より承認されたと発表した。
この発表は、アストラゼネカ英国本社が1月12日に発表したプレスリリースを翻訳したもの。
細胞のがん化につながる遺伝子変化を起こす可能性
生殖細胞系列BRCA遺伝子変異は、ヒト遺伝子BRCA1およびBRCA2の変異あるいは変化した状態を指す。BRCA1およびBRCA2は、損傷したDNAの修復に関わるタンパク質を生成する作用を持ち、細胞内遺伝子の安定性維持に重要な役割を果たしている。これらの遺伝子が変異を起こすと、DNA損傷が適切に修復されない可能性があり、細胞のがん化につながる遺伝子変化を起こす可能性も高くなる。
「オラパリブ」は、BRCA変異などDNA損傷応答経路に異常をきたしたがん細胞に対して特異的に作用し、細胞死を誘導する、経口ポリADP-リボースポリメラーゼ(PARP)阻害剤。同剤による細胞毒性は、DNA損傷およびがん細胞死が生じることが、複数のin vitro試験において示されている。
乳がん患者に大きな意義をもたらす承認
今回のFDAによる承認は、第3相OlympiAD試験の結果に基づくもの。同試験では、医師が選択した化学療法と「オラパリブ」との比較検討が行われ、「オラパリブ」は無増悪生存期間の延長と、病勢進行または死亡のリスク低減を達成している。
この承認についてアストラゼネカ英国本社は、乳がん患者に大きな意義をもたらすものであるとしている。
(画像はアストラゼネカの公式ホームページより)

オラパリブ 生殖細胞系列BRCA遺伝子変異陽性転移乳がん治療薬としてFDAより承認 - アストラゼネカ株式会社
https://www.astrazeneca.co.jp/