日本初のPARP阻害剤「リムパーザ」
アストラゼネカ株式会社は、2018年1月19日、日本初のポリ(ADP-リボース)ポリメラーゼ(PARP)阻害剤「リムパーザ」が、国内製造販売承認を取得したと発表した。
この承認は、白金系抗悪性腫瘍剤感受性の再発卵巣がんにおける維持療法を効能・効果とするもの。
良好な安全性プロファイルを保ちながらリスクを下げる
卵巣がんは、女性のがんにおいて7番目に多いがん疾患であり、女性のがんによる死因の8番目となっている疾患。5年生存率も、58%と婦人科がんの中では最も低い。日本においては近年、卵巣がん罹患数が増加傾向にあり、毎年9000人以上の女性が卵巣がんと診断されている。
「リムパーザ」は、DNA損傷応答(DDR)機能を活用した、世界初のPARP阻害剤。DNAの相同組換え修復機構が機能していないがん細胞に対して、特異的に細胞死を誘導するという画期的な作用機序を持つ。従来は延命やQOL改善が重視されていた再発卵巣がんに対しても、良好な安全性プロファイルを保ちながら病勢進行リスクおよび死亡リスクを下げることが期待されている。
今後も卵巣がん治療の進展に貢献
今回「リムパーザ」が取得した国内製造販売承認は、プラチナ製剤感受性再発卵巣がんの維持療法における2つの無作為化試験(SOLO-2および試験19)の結果に基づくもの。
アストラゼネカは、これまで治療選択肢が限られていた卵巣がんに対して、新たな治療選択肢を提供できることについて、うれしく思うとしている。また今後も、卵巣がん治療の進展に貢献できることを期待しているという。
(画像はアストラゼネカの公式ホームページより)

リムパーザ 再発卵巣がん治療薬として国内製造販売承認を取得 - アストラゼネカ株式会社
https://www.astrazeneca.co.jp/