第3相INO-VATE 1022試験などの結果に基づき承認
ファイザー株式会社は、2018年1月19日、再発・難治性急性リンパ性白血病治療薬「ベスポンサ点滴静注用 1mg」の製造販売承認を取得したと発表した。
この承認は、再発または難治性のCD22陽性の急性リンパ性白血病を効能・効果とするもの。日本も参加した国際共同第3相INO-VATE 1022試験などの結果に基づき、承認されている。
予後が不良な急性リンパ性白血病
急性リンパ性白血病は、悪性白血病の一種であり、予後が不良な疾患。標準的な治療は、強力かつ長期的な化学療法であり、新たに診断された成人患者のおよそ20%から40%は現在の治療レジメンによって治癒する。しかし、再発または難治性の成人患者の5年生存率は、10%以下とされている。日本における同疾患の患者数は、近年増加傾向にある。
「ベスポンサ」は、CD22を標的とするモノクローナル抗体および細胞傷害性化合物で構成されている薬剤。CD22は、ほぼ全てのB細胞性急性リンパ性白血病のがん細胞において発現する、細胞表面抗原。同剤はCD22抗原と結合し、細胞傷害性を有するカリケアマイシンが放出して、細胞を破壊する。
標準化学療法群を上回る結果を出した
INO-VATE 1022試験は、再発または難治性のCD22陽性急性リンパ性白血病の成人患者326名を対象として、「ベスポンサ」群と標準化学療法群を比較した試験。血液学的完全寛解率や無増悪生存期間などの評価項目において「ベスポンサ」群は、標準化学療法群を上回る結果を出している。
ファイザーは今後、「ベスポンサ」のより質の高い適正使用情報を届け、白血病と共に生きる患者の人生に対してさらなる貢献を行うとしている。
(画像はファイザーの公式ホームページより)

再発・難治性急性リンパ性白血病治療薬「ベスポンサ点滴静注用 1mg」、製造販売承認を取得 - ファイザー株式会社
http://www.pfizer.co.jp/