重症喘息患者の半分でレベル上昇がみられる、好酸球
アストラゼネカ株式会社は、2018年1月11日、生物学的製剤「ベンラリズマブ(FASENRA)」が、 好酸球性重症気管支喘息治療薬としての承認を欧州において取得したと発表した。
この発表は、英国アストラゼネカ社が同年1月10日に発表したプレスリリースを翻訳したもの。「ベンラリズマブ」は、重症喘息患者のおよそ半分でレベル上昇がみられる好酸球へ作用する薬剤。
3億1500万人の人々に悪影響を与えている気管支喘息
気管支喘息は、世界3億1500万人の人々に悪影響を与えている疾患。喘息患者の最大10%は、標準治療である高用量の喘息コントロール薬による治療にもかかわらず、症状のコントロールが不良であり、経口ステロイド薬の継続使用が必要になる場合がある。
「ベンラリズマブ」は、ナチュラルキラー細胞を誘導することで、好酸球に直接かつ速やかに作用し、かつほぼ完全に除去するモノクローナル抗体。好酸球は、喘息患者の約50%において生物学的エフェクター細胞となり、頻回の症状増悪や呼吸機能の低下、喘息症状の悪化を引き起こしている。
日本および数カ国においては当局が審査中
今回「ベンラリズマブ」が欧州において取得した承認は、同剤の投与による年間喘息増悪率の変化を評価した主要第3相国際試験などの結果に基づくもの。高用量の吸入ステロイドと長時間作用性β2刺激薬での治療で、コントロール不良の好酸球性重症喘息を持つ成人患者に対する追加維持療法として、認められている。
同剤は現在、日本および数カ国においては当局が審査中。2018年上半期中には、当局の決定があると予測されている。
(画像はアストラゼネカの公式ホームページより)

ベンラリズマブ 欧州における好酸球性重症気管支喘息治療薬としての承認を取得 - アストラゼネカ株式会社
https://www.astrazeneca.co.jp/