主要評価項目を達成できなかった
大塚製薬株式会社とデンマークのルンドベック社は、9月26日、両社が共同開発中のアルツハイマー型認知症治療薬「イダロピルジン」について、フェーズ3試験の結果を発表した。
同剤のフェーズ3試験は3本が進行中であり、今回発表されたのは最初の試験(STARSHINE試験)における主要評価項目の結果。同剤は、主要評価項目を達成できなかったという。
アルツハイマー病治療の可能性が示された
「イダロピルジン」は、選択的セロトニン5-HT6受容体拮抗剤。セロトニン5-HT6受容体は、皮質や海馬のような脳の認知機能に関わる領域に発現し、複数の神経伝達系の活動を調節する機「イダロピルジン」は、モデル動物において認知機能を改善させ、アセチルコリンエステラーゼ阻害薬「ドネペジル」の海馬機能に対する効果も増強させた実績を持つ。
セロトニン5-HT6受容体拮抗剤は、複数の先行試験においてアルツハイマー病の治療にも有益である可能性が示された。そこでルンドベック社は2009年11月より、アセチルコリンエステラーゼ阻害薬「ドネペジル」と「イダロピルジン」の併用療法について、フェーズ2試験を実施。フェーズ2試験は、軽度から中等度のアルツハイマー病を対象として実施された。
効果を検証すべく実施
STARSHINE試験は、アルツハイマー型認知症の軽度から中等度の症状に対する治療を行っている患者を対象として、「イダロピルジン」の効果を検証すべく実施された。
同試験の主要評価項目は、認知機能評価。 同剤は、総スコアの低下に対して十分な有効性が示されなかったという。また、副次評価項目であるプラセボ群との差もなかったとしている。
なお、現在進行中である他の2つのフェーズ3試験については、2017年第1四半期に結果が出る予定。

アルツハイマー型認知症治療薬として共同開発中の「idalopirdine」のフェーズ3試験結果について - 大塚製薬株式会社
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