トリプルネガティブ乳がんを含む
オンコセラピー・サイエンス株式会社は、9月20日、同社が臨床開発中のMELK阻害剤「OTS167」について、乳がんに対する第1相臨床試験を米国にて開始したと発表した。
同試験は、トリプルネガティブ乳がんを含む乳がんの患者を対象とするもの。同剤のカプセル剤による経口投与における安全性と、推奨投与量の確認を主目的としている。
強い効果が期待できる分子標的治療薬
「OTS167」は、ゲノム包括的遺伝子解析に基づいて発見された新規キナーゼ「MELK (Maternal Embryonic Leucine zipper Kinase) 」を標的とする阻害剤。新しい作用機序を持ち、がん幹細胞に対してより強い効果が期待できる分子標的治療薬とされている。
同剤は既に動物試験において、肺がんや前立腺がん、乳がんや膵臓がんなどに対して、強力な抗腫瘍効果が確認済み。現在は米国シカゴ大学において、急性骨髄性白血病に対する静脈内投与による臨床試験が実施されている。
安全性に留意しながら有効性を確認
トリプルネガティブ乳がんは、エストロゲン受容体・プロゲステロン受容体・HER2の3つが発現していない乳がん。乳がんの約15~20%が、このトリプルネガティブに相当する。今回開始された「OTS167」の第1相臨床試験では、トリプルネガティブ乳がんに対する臨床上の有効性の確認も、副次的に行われる。
オンコセラピー・サイエンスは今後も、安全性に十分留意しながら臨床上の有効性を確認する臨床試験を実施していくとしている。

MELK阻害剤「OTS167」の米国における乳がんに対する第1相臨床試験開始のお知らせ - オンコセラピー・サイエンス株式会社
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