全ての患者が改善
協和発酵キリン株式会社(以下、協和発酵キリン)は9月20日、ウルトラジェニクス・ファーマーシューティカルとの共同開発で行っていた抗FGF完全ヒト抗体KRN23(以下、KRN23)の第2相臨床試験の結果で良好な成績が得られたことを明らかにした。
この第2相臨床試験は、X染色体遺伝性低リン血症(以下、XLH)を対象としたもので、52名の5~12歳までの患者のうち36名にKRN23を64週間投与したところ、全ての患者に血清リン濃度など改善したことが認められたとしている。
今回の試験でベースラインのくる病スコアの高い被験者において、骨病変や成長速度の改善が強く確認できたとしている。また、4週間に1度の投与よりも2週間に1度の投与の場合高い効果があったという。
投与の安全性については、注射部位反応が33%の患者に現れたがいずれも軽度で、因果関係が否定できない重篤な有害現象が1名に認められたが、現在も試験に参加している。
学会にも発表
協和発酵キリンは、この結果がAmerican Society for Bone and Mineral Researchの学会で発表されたと公表した。
XLHはくる病と言われる病気で、そのほとんどが遺伝性であり骨の変形や骨の痛み、低身長などを引き起こすとされている。
治療方法としてはリン酸濃度を上昇させるために経口で投与するが、その際にカルシトリオールを一緒に投与する必要があるが、治療によりカルシウム濃度が上がり、腎臓結石を引き起こすことがある。しかし、このKRN23の投与では臨床的に意義のある有意な変化はなかったとしている。

協和発酵キリン株式会社 ニュースリリース
http://www.kyowa-kirin.co.jp/