産学共同開発プロジェクトの成果の一つ
アンジェスMG株式会社は、9月15日、「核酸含有PLGAナノ粒子技術を用いた経口DDS製剤」の特許が、日本国内において成立したことを明らかにした。
この特許は、同社とホソカワミクロン株式会社、森下仁丹株式会社および大阪大学大学院医学系研究科が実施した産学共同開発プロジェクトの成果の一つ。
「NF-κBデコイオリゴ」を腸まで確実に届ける
本特許は、核酸医薬「NF-κBデコイオリゴ」を、ホソカワミクロンが開発した「PLGAナノ粒子」に含有させ、さらに森下仁丹が保有する「腸溶性シームレスカプセル」に内包した経口製剤についてのもの。
「NF-κBデコイオリゴ」は、生体内で免疫・炎症反応を担う遺伝子群のスイッチ「転写因子 NF-κB」に対する特異的な阻害剤。 「PLGA」は、乳酸/グリコール酸共重合体であり、生体適合性・親和性を特徴とする高分子。「腸溶性シームレスカプセル」は、胃酸によるダメージを防ぎ、内包した物質を腸まで届けることができるカプセル技術。
根治治療として期待される技術
今回特許を取得した経口DDS製剤は、医薬品の生体内での安定性を高める「PLGAナノ粒子」技術と、医薬品を腸まで確実に届ける「腸溶性シームレスカプセル」技術を組み合わせることで、核酸医薬の生体内での高い安定性と薬理効果の発揮が期待されている。
アンジェスMGはこの特許を、潰瘍性大腸炎やクローン病といった難治性炎症性腸疾患の根治治療として期待される技術であるとして、早期実用化を目指すとしている。

核酸含有PLGAナノ粒子技術を用いた経口DDS製剤に関する特許の成立 - アンジェスMG株式会社
http://www.anges-mg.com/pdf.php?pdf