目の潤いを保つ「ムチン」産生を促進
ロート製薬株式会社は9月15日、点眼薬の有効成分「パンテノール」が、涙液の安定化に関与する「ムチン」の産生を促進することを発見したと発表した。
代謝促進作用がある「パンテノール」は、古くから疲れ目症状の改善を目的として点眼薬に配合されてきたが、作用メカニズム研究や基礎研究を行った例は殆どなかったという。
同社は、スマートフォンやパソコンなどの急速な普及に伴い、長時間作業による目の乾きや疲れ目の症状を同時に訴えるユーザーが増加しているとの認識を示している。
そうした現代人の疲れ目改善に対する、より効果的な点眼薬の処方開発に応用するため「パンテノール」の作用メカニズムに関する研究を行い、今回の結果につなげた。
ATP産生増加により疲れ目改善の作用も
さらに同社は「パンテノール」がATP産生量を増加させることも確認。ATPは筋肉の収縮などで使用されるエネルギー源で、アセチルコリンとともに目のピント調節を担う毛様体筋を動かすために必要とされている。
「パンテノール」がATP産生を高めることによって、疲れ目改善に作用する可能性が示唆されたとし、ムチン産生を促進することと合わせて、目の乾きや目の疲れに対して「パンテノール」が効果的に働くメカニズムの一端が解明されたと結論付けた。

ロート製薬株式会社 ニュースリリース
http://www.rohto.co.jp/