切り替えが効果的と考えられる
バイエル薬品株式会社は、9月9日、「リオシグアト」の臨床試験に関するプレスリリースを発表した。
同リリースは、ドイツ・バイエル社が9月4日に発表したリリースを翻訳したもの。同試験では、PDE-5阻害薬で十分な反応が得られない肺動脈性肺高血圧症の患者において、「リオシグアト」への切り替えが効果的と考えられることが判明したという。
独特な作用機序を提供する「リオシグアト」
肺高血圧症は、進行性であり生命をも脅かす深刻な心肺疾患。最も一般的な症状は、息切れ・疲労・めまい・失神などであり、いずれも労作により悪化する。症状は非特異的であるため診断が遅れるケースも多く、また肺動脈圧が正常値よりも高くなるために右心不全や死に至る場合もある。
「リオシグアト」は、可溶性グアニル酸シクラーゼ刺激薬と呼ばれる新しいクラスの薬剤。肺高血圧症における重要な分子メカニズムをターゲットとした経口治療薬であり、バイエルが発見・開発した。同疾患の治療において、PDE-5阻害薬などとは異なる独特な作用機序を提供する。
欧州呼吸器学会において口頭発表
今回の「リオシグアト」臨床試験は、非盲検・非対照・多施設の単一群第3b相パイロット試験として実施された。同試験では、PDE-5阻害薬を「リオシグアト」に変更し治療を継続した患者において、6分間歩行距離、WHO 機能分類、心不全の血清マーカーレベル、そして血行動態の改善が示されたという。
この試験成績は、ロンドンで開催された欧州呼吸器学会において口頭発表されている。

PDE-5阻害薬で反応が得られない肺動脈性肺高血圧症の患者にはリオシグアトへの切り替えが効果的 - バイエル薬品株式会社
http://byl.bayer.co.jp/html/press