第34回 国際血液浄化学会で発表
バクスター株式会社は、9月9日、親会社であるバクスターインターナショナルインクが持続的腎代替療法(CRRT)によるサイトカインの除去に関する研究を実施し、その要約を第34回 国際血液浄化学会 (ISBP 2016) にて発表したことを明らかにした。
ISBP 2016は、9月8日から10日まで広島で開催された学会。同研究は、ICUに入院している極めて重篤な患者を対象に実施されている。
サイトカインを除去した方が死亡リスクが下がる
同研究において研究者らは、日本人患者のデータベースを遡及的に検討。CRRTを受けた患者のうち、サイトカイン除去性能を持つ特殊型のCRRTの場合と従来型のCRRTを実施した場合とを比較し、死亡リスク、ICUからの生存退室、ICU在室期間について分析を行った。なお、分析に含まれた患者の約半数は、敗血症と診断されている。
研究者らの算出によると、サイトカインを除去した場合の方が患者の死亡リスクが下がり、ICUからの生存退室の累積発生率も高いという結果が出た。しかし一方で、ICU在室期間の差は統計的に有意ではなかったという結果も出ている。
今後も患者や医療現場に貢献
従来型のCRRTは、血液中の尿毒物質やその他の有害物質の除去と、血液中の水分や電解質を緩徐に除去・調整し急性腎障害患者を治療するために用いられる。サイトカイン除去を行うCRRTは、敗血症および敗血症ショック患者の転帰に対して、良い影響をもたらすことが期待されている。
バクスターは今後も、腎不全など領域に特化した医薬品や医療機器およびサービスの提供を通じ、患者や医療現場に貢献するとしている。

CRRTによるサイトカイン除去がICU患者に与える潜在的影響に関して、共同研究結果を発表 - バクスター株式会社
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