PAINWeek 2016にて発表
塩野義製薬株式会社は、現在米国ラスベガスで開催中(開催期間:2016年9月6日から10日)の、米国最大の疼痛学会『PAINWeek 2016』において、末梢性マイクロオピオイド受容体拮抗薬「ナルデメジン」の長期安定性ならびに有効性に関するグローバル第3相臨床試験(COMPOSEIII)で得られた良好な結果を公表した。
オピオイド鎮痛薬の副作用を緩和できるか
オピオイド誘発性便秘症(opioid-induced constipation、以下、OIC)は、非がん性慢性疼痛の治療のため、オピオイド鎮痛薬を服用中の患者の40%から50%で発症すると言われている、オピオイドの副作用。
現在のところ、市販の緩下剤ではOICへの対応が不十分なケースもあり、OICの発症により、オピオイド鎮痛薬の投与中止を余儀なくされ、疼痛管理が困難になる場合も多い。
今後の創薬への期待
今回のCOMPOSEIII試験では、非がん性慢性疼痛のためにオピオイド鎮痛薬を服用中で、OIC発症している患者を対象に、「ナルデメジン」(経口剤0.2mg、1日1回)の長期安全性と有効性を、プラセボを対照として、52週間モニタリングした。
その結果、「ナルデメジン」の投与により、オピオイドの鎮痛効果への影響は認められなかった。また、治療期の各時点における、1週間当たりの排便回数ベースラインからの変化量は、プラセボ群と比較して、「ナルデメジン」投与群で有意に増加した。
発現率が5%以上で、プラセボ群と比較して有意な差を認めた有害事象は、腹痛が8.2%、下痢が11.0%、嘔吐が6.0%となり、「ナルデメジン」の忍容性は概ね良好だった。

塩野義製薬株式会社プレスリリース
http://www.shionogi.co.jp/