最大で3億1200万米ドルの助成
武田薬品工業株式会社は、9月2日、米国生物医学先端研究開発局(BARDA)よりジカ熱ワクチン開発の助成先として選定されたことを明らかにした。
BARDAは、米国保健福祉省の事前準備対応次官補局の一部門。武田薬品には最初の助成金として1980万米ドルが交付され、最大で3億1200万米ドルが交付される可能性もあるという。
ワクチンや治療薬は存在しないジカ熱
現在、ジカ熱に対するワクチンや治療薬は存在しない。妊娠中に同疾患へ感染した場合、小頭症と呼ばれる重大な先天性異常や他の重篤な脳障害を胎児へ引き起こす恐れがある。同疾患は近年、その範囲が米国など60ヶ国以上へ拡大している。
世界保健機関は2016年2月1日、ジカ熱の流行について「国際的に懸念される公衆衛生上の緊急事態」であると宣言した。2月8日には米国疾病対策センターが、ジカ熱への取り組みを最も重要度・緊急度の高いレベル1に引き上げている。
製造は日本の光工場で行われる予定
武田薬品は今後、アジュバント入り全粒子不活化ジカ熱ワクチンを、BARDAとの契約に基づいて開発する。所期の目的は、ワクチンを開発・製造した上で、米国食品医薬品局へ提出する臨床試験実施申請資料に含める非臨床試験を完了し、臨床第1相試験を実施することしている。
なおジカ熱ワクチンの製造は、日本の光工場で行われる予定。

米国政府より最大3億1,200万米ドルの助成を受けてジカ熱ワクチンを開発 - 武田薬品工業株式会社
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