多発性骨髄腫の治療薬として発売
小野薬品工業株式会社は、9月7日、プロテアソーム阻害剤「カイプロリス点滴静注用10mg」「同40mg」を日本国内において発売したことを明らかにした。
同剤は8月31日、再発または難治性の多発性骨髄腫の治療薬として発売されている。
骨髄腫細胞の機能的細胞死を誘導
多発性骨髄腫は、骨髄中にある形質細胞の異常により引き起こされる血液がん。治療法は複数存在するものの、寛解と再発を繰り返し進行するケースや、どの治療法も有効でなくなる難治性の病状に移行するケースが少なくないという。また、長期的な治療では副作用や合併症が報告されており、新たな治療薬の開発が期待されていた。
「カイプロリス」は、高い選択性を有するプロテアソーム阻害剤。プロテアソームは細胞内に存在する酵素複合体であり、細胞の増殖・分化・機能的細胞死を制御している。同剤はこのプロテアソームを阻害することにより、骨髄腫細胞の機能的細胞死を誘導する。
適正使用に必要な措置を講じる
小野薬品は2010年9月、米国Onyx Pharmaceuticals, Inc.より「カイプロリス」を導入。米国において同剤は、2012年7月、多発性骨髄腫の治療薬として単剤療法で迅速承認を取得している。
小野薬品は「カイプロリス」の適正かつ有効な使用のために、製造販売承認後の使用成績調査(全例調査)を実施し、臨床データを収集。適正使用に必要な措置を講じていくとしている。
(画像はプレスリリースより)

プロテアソーム阻害剤「カイプロリス点滴静注用10mg、40mg」新発売のお知らせ - 小野薬品工業株式会社
http://www.ono.co.jp/jpnw/PDF