取得総額643億円
大日本住友製薬株式会社は2016年9月1日のニュースリリースで、アメリカの子会社のサノビオン・ファーマシューティカルズ・インクが現地時間2016年8月31日付けで、カナダの医薬品ベンチャー企業のシナプサス・セラピューティクス・インクを完全子会社化することについてシナプサス社と合意したと発表した。
サノビオン社は、シナプサス社の発行済み株式、ワラント及びストックオプションを、カナダ法で定められている友好的企業買収手法であるプラン・オブ・アレンジメントによりすべて取得し、その取得総額は6億2400万ドル(約643億円)となる予定だ。
新薬で精神神経領域での飛躍を期待
シナプサス社は、中枢神経領域の医薬品開発に注力しているベンチャー企業で、一般名ではアポモルヒネ塩酸塩として知られているパーキンソン病治療剤を開発中である。
アポモルヒネ塩酸塩(ドパミン作動薬)は、薬物治療中のパーキンソン病患者に出現したオフ症状に対するレスキュー薬として有効であると考えられており、有効成分を含んだ開発中の新薬は注射剤ではなく、舌下投与型のフィルム製剤で先進的な製品となっている。
サノビオン社は精神神経領域に注力しており、既に非定型抗精神病薬「ラツーダ」及び抗てんかん剤「アプティオム」を販売している。
シナプサス社を買収することにより、この領域で有力なパイプラインを獲得することができ、2019年に独占販売期間が満了する「ラツーダ」の代わりとして開発中の新薬を販売することを目指し、さらに飛躍することを期待している。

ニュースリリース(PDFファイルが開きます)
http://www.ds-pharma.co.jp/pdf_view.php?id=767大日本住友製薬株式会社
http://www.ds-pharma.co.jp/サノビオン・ファーマシューティカルズ・インク
http://www.sunovion.com/