オキシトシンスプレーの効果に違い
福井大学(以下、福井大)は8月23日、青年期自閉スペクトラム症への継続オキシトシンスプレーの効果について、使用量と遺伝子的特徴によって違いがあると判明したことを発表した。また、この研究結果は同日、電子版米国科学誌の「Translational Psychiatry」に掲載された。
自閉スペクトラム症とは自閉症などを含む障害で、2012年に東京大学がオキシトシンの点鼻スプレー投与によって、自閉スペクトラム症で低下していた脳活動を上昇、対人コミュニケーションの障害が改善されたことを世界に先駆けて発表している。
患者に合った治療選択が可能に
オキシトシンはホルモンの1種で俗に「幸せホルモン」「愛情ホルモン」とも言われている下垂体後葉からから分泌される。ストレスを緩和させたり、幸せな気持ちにさせたりすることができるとされている。
福井大の小坂教授と和田教授は、近年注目されているオキシトシンスプレーの治療について、その効果の個人差や使用量などが不明だったことから15歳~39歳の自閉スペクトラム症60名を対象に臨床試験を行い、点鼻用量や遺伝的個人差の影響によって効果が違うことを解明することに成功した。
このことから今後、個々の患者に合った治療選択が可能になるとしている。

福井大学 ニュース
http://news2.ad.u-fukui.ac.jp/news/21833/