インフルエンザ症状消失期間の短縮、ウィルス力価の推移とも有意な結果
塩野義製薬は、米国イリノイ州シカゴで開催された、インフルエンザ感染症の予防、コントロール、治療に特化した国際会議「OPTIONS Ⅸ」において、同社が創製したキャップ依存性エンドヌクレアーゼ阻害剤S-033188に関する試験結果を公表したことを、8月29日発表した。
公表されたのは、国内第Ⅱ相臨床試験と非臨床試験におけるもので、双方とも良好な結果を示した。
国内第Ⅱ相臨床試験では、A型ならびにB型インフルエンザウィルス感染患者400例を対象に、プラセボおよびS-033188(10㎎、20㎎、40㎎単回経口投与、各郡100例)を投与し、インフルエンザ症状消失期間ならびにウィルス力価の推移を確認した。
S-033188の投与によるインフルエンザ症状消失期間の短縮について、Cox比例ハザードモデルを用いた検討ではプラセボに対する有意差を認めなかったが、generalized Wilcoxon検定ではS-033188の3用量ともに有意なインフルエンザ症状消失期間の短縮が認められた。(p<0.05)
さらに、S-033188は3用量ともに、投与翌日ならびに2日後のウィルス力価をプラセボ投与群と比較して有意に減少させた。(p<0.001)
また、忍容性においては、プラセボと同様であった。
非臨床試験で強いウィルス複製阻害作用示す
非臨床試験においては、オセルタミビル耐性株を含むA型およびB型インフルエンザウィルスを感染させた培養細胞を用いた際、S-033188は上市されている既存の治療薬と比較して、強いウィルス複製阻害作用を示した。
また、致死量のA型インフルエンザウィルスを感染させたマウスにS-033188(0.5および5㎎/kg)を単日投与したところ、全例が生存。臨床用量相当のオセルタミビルの5日間投与群と比べて優位に高い致死抑制効果を示した。
S-033188は、厚生労働省より2015年10月に先駆け審査指定制度の対象品目に指定された。塩野義製薬は、2016年度中にグローバルⅢ相臨床試験を開始し、日本においては最速で2017年度内の申請を予定している。
(画像はプレスリリースより)

シオノギ製薬ニュースリリース
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