日本および米国において開発中の薬剤
生化学工業株式会社とスイスのフェリング社は、8月29日、腰椎椎間板ヘルニア治療剤「SI-6603」の海外におけるライセンス契約を締結したと発表した。
「SI-6603」は、生化学工業が日本および米国において開発を進めている薬剤。今回の契約は、本年6月15日に両社が締結した基本合意書に基づき締結されている。
神経への圧迫を軽減させる効果
腰椎椎間板ヘルニアは、椎間板の中心部分にある髄核や外側の線維輪の一部が突出することで、脊椎周辺の神経を圧迫し、痛みやしびれを誘発する疾患。
「SI-6603」は、髄核の構成成分であるグリコサミノグリカン(GAG)を特異的に分解するコンドリアーゼという酵素を利用した注射薬。同剤は、椎間板内に直接投与することで、GAGを分解して髄核を縮小。神経への圧迫を軽減させる効果が期待されている。
日本において「SI-6603」は、2014年1月に厚生労働省への製造販売承認申請が行われ、現在は審査中。また生化学工業は2012年12月、科研製薬株式会社との間で同剤の日本における独占的販売契約を締結している。
米国での早期事業化を目指す
フェリング社は、専門領域に特化した研究開発型のバイオ医薬品企業として、革新的製品をグローバルに展開している。今回の契約締結によりフェリング社は、「SI-6603」に関する日本を除く全世界を対象とした独占開発・販売の権利を取得している。
生化学工業は、「SI-6603」の開発を速やかに進め、潜在市場の大きい米国での早期事業化を目指すとしている。

腰椎椎間板ヘルニア治療剤SI-6603の海外におけるライセンス契約締結に関するお知らせ - 生化学工業株式会社
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