進行・再発の非小細胞肺がんの治療薬として
ファイザー株式会社は、8月31日、がん治療薬「ザーコリ」の承認事項一部変更承認申請を行ったことを明らかにした。
今回の申請は、ROS1融合遺伝子陽性の切除不能な進行・再発の非小細胞肺がん(NSCLC)の治療薬として、同剤の承認を求めるもの。
ROS1阻害作用も持つ「ザーコリ」
ROS1遺伝子は、別の遺伝子が融合してROS1再構成が生じる。ROS1再構成が生じると、各遺伝子の機能は正常に働かず、がん細胞の成長を促進する可能性がある。疫学データより、ROS1の再構成はNSCLCのおよそ1%に生じることが示唆されている。
「ザーコリ」は、ファイザー社が開発した分子標的薬であり、作用機序としてROS1阻害作用も持つ。同剤は、ROS1融合蛋白のチロシンキナーゼ活性を阻害することで、腫瘍細胞の成長と生存に必要な細胞内のシグナル伝達を遮断する。
革新的な薬剤をいち早く届ける
「ザーコリ」は、ROS1融合遺伝子陽性NSCLCを対象とした海外第1相試験ならびに日本を含むアジア共同第2相試験において、有効性と安全性が評価された。同試験における結果を取りまとめ、今回の申請に至ったと同社はしている。
なお同剤は本年8月、希少疾病用医薬品(オーファンドラッグ)に指定されている。同社は今後も、日本のがん患者に革新的な薬剤をいち早く届けるべく、鋭意開発に取り組むという。

ザーコリの新適応症追加を申請 本邦初、希少肺がんでは2つ目の申請 - ファイザー株式会社
http://www.pfizer.co.jp/pfizer/company/press/