第一三共が概要を発表
イタリアの首都ローマで開催中の欧州心臓病学会(ESC 2016)のHot Lineセッションにおいて、電気的除細動(低エネルギーの電気的ショックにより心臓のリズムを正常化する治療)を受ける予定の非弁膜症性心房細動患者2,199名を対象としたENSURE-AF試験の結果が公表されたことに伴い、第一三共株式会社は2016年8月30日のニュースリリースで、その概要について発表した。
このENSURE-AF試験で、1日1回経口投与するエドキサバンが、脳卒中等の血栓症の発症抑制に対し、適切に管理されたエノキサパリン/ワルファリンと同程度の有効性と安全性を示す主要評価項目を満たすことを確認できたと発表している。
第一三共は、エドキサバンの科学的知見を継続的に発展させる取り組みを推進しており、今回の試験結果を通じてより幅広くAFおよびVTE患者におけるエドキサバンに関連した科学的知見が充実するよう一層尽力していくとコメントしている。
エドキサバンの今後の展開に期待
抗凝固剤エドキサバンは、血液を固まりにくくする薬で、血の塊によって血管が詰まる病気である血栓症のリスクを低減する薬。
従来のエノキサパリン/ワルファリンは、飲んでいる薬の相性や食事の内容によって効果にばらつきがあるが、エドキサバンは他の薬に影響されず効果を発揮でき、食事制限も不要という特長がある。
心房細動によって心臓の動きが悪くなると心臓で血の塊ができやすくなり、脳梗塞や肺塞栓症のリスクが高まるため、今回の心房細動患者を対象とした試験でエドキサバンの有効性と安全性が確認されたことで、今後の発展と普及に期待が持てる結果となった。

ニュースリリース
http://www.daiichisankyo.co.jp/news/detail/006498.html欧州心臓病学会
https://www.escardio.org/第一三共株式会社
http://www.daiichisankyo.co.jp/