渡航前にワクチン接種歴の確認を呼びかけ
国立感染症研究所感染症疫学センターは8月25日、「麻しんに関する緊急情報」を発表した。
全国各地で麻しんの患者情報が相次いで報告されていることを受けたもので、今年は特にインドネシア、モンゴル等アジアの国々に渡航歴のある患者の届出報告が目立つとしている。
麻しんが流行している国に渡航する前には、必ず麻しん含有ワクチンの接種歴を確認し、未接種未罹患の場合は、麻しん含有ワクチンを接種してから渡航を予定するよう呼びかけた。
強い感染力持つ麻しんに警戒を
麻しんの初期症状は、発熱と咳、鼻水、眼球結膜の充血等で、これらの症状が数日続いた後、口腔内に白い粘膜疹が現れる。これは麻しんの特徴的な症状とされるコプリック斑で、コブリック斑が出現すると、体温は一旦下がったかのように見える。しかし、再びすぐに高熱となり、体に赤い発疹が出始めて、発疹は全身に拡大していく。
肺炎や中耳炎等を合併することが多く、麻しん患者1,000人に1人の割合で脳炎を合併し、命に関わるという。
麻しんは空気感染、飛沫感染、接触感染で広がり、1人の患者から12~18人に感染が拡大するとされるほど強い感染力を持つ。
国立感染症研究所感染症疫学センターでは、コンサート会場や体育館などの広い場所でも、同じ空間にいるだけで感染し発症する危険性が高くなるとして、麻しんの免疫を持たない人へ警鐘を鳴らしている。
(画像はプレスリリースより)

国立感染症研究所ニュースリリース
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