シカゴ大学医学部のグループによるもの
オンコセラピー・サイエンス株式会社は、8月23日、同社のMELK阻害剤「OTS167」について、多発性骨髄腫に対する有効性に関する論文が公表されたことを発表した。
この論文は、共同研究者であるシカゴ大学医学部・中村祐輔教授のグループとシカゴ大学医学部・多発性骨髄腫研究グループによるもの。公表は、「Blood Cancer Journal」誌のオンライン版で行われている。
多発性骨髄腫細胞の増殖を抑制
MELK(Maternal Embryonic Leucine-zipper Kinase)は、幅広いがん種で発現が亢進し、がん幹細胞の維持においても重要な役割を果たすことが報告されているキナーゼ。オンコセラピー・サイエンスは現在、米国においてMELK阻害剤「OTS167」の臨床試験を実施している。
今回発表された論文は、MELKが多発性骨髄腫で高いレベルで発現していることと、「OTS167」が多発性骨髄腫細胞の増殖を抑制することを報告するもの。また同剤は、薬剤耐性の骨髄腫細胞においても高い増殖抑制効果を示すため、治療抵抗性の多発性骨髄腫患者に対しても有効であるものと期待されるとしている。
治療後の再発を抑制する可能性も示唆
同論文ではさらに、多発性骨髄腫患者由来の検体を用いた検討において「OTS167」が、多発性骨髄腫の前駆細胞の増殖を抑えたことも報告。治療後の再発を抑制する可能性も示唆されたとしている。
オンコセラピー・サイエンスは今回の論文発表により、同剤が多発性骨髄腫に対する新たな治療戦略となる可能性が示されたとしている。

多発性骨髄腫に対するMELK 阻害剤「OTS167」の有効性に関する論文公表のお知らせ - オンコセラピー・サイエンス株式会社
http://www.oncotherapy.co.jp/wp-content/